病気・症状一覧

胃液や、胃で消化途中の食べ物には強い酸性の性質があります。これらが食道に逆流して、食道が酸によるダメージを受け胸焼けなどの症状が現れる病気を逆流性食道炎といいます。「呑酸（どんさん）」や、胸焼けです。他にも、「食事の際に食べ物がつかえる感じ」や「のどの違和感」、「締め付けるような胸痛」、「咳や喘息」、「声がれ」といった様々な症状が現れるのが特徴です。

逆流性食道炎について

胃潰瘍とは、胃液中の強酸やペプシン（タンパク質分解酵素の一種）の働きが過剰になり胃粘膜を傷つけ、やがて粘膜がただれて崩れ、傷が深くなる「潰瘍」を引き起こす疾患です。腹痛を主な症状とし、その他にも胸焼け、吐き気や嘔吐、呑酸（酸っぱいものが上がってくるげっぷ）、食欲不振、体重減少、背中の痛み、口臭といった症状が現れることもあります。潰瘍の悪化により出血が起きると、吐血したり、黒い「タール便」という下血症状が現れたりします。

胃潰瘍について

ピロリ菌とは正式には「ヘリコバクター・ピロリ」と呼ばれるらせん状の細菌のことで、胃の粘膜に寄生します。ピロリ菌に感染すると胃に炎症が発生します。この炎症が慢性化したものが、「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」という病気です。
慢性的な炎症は腸上皮化生や胃粘膜の萎縮を引き起こす他、一部の場合は胃がん発症のリスクが高くなるとされています。

ピロリ菌について

機能性ディスペプシア（FD：FunctionalDyspepsia）は、血液検査・内視鏡・CTなどの検査で炎症・潰瘍・がんなどの病変（器質的異常）が確認できないにも関わらず、胃もたれ・胃痛などの症状が現れる病気です。すなわち、器質的な異常ではなく、機能的な異常により症状が現れる病気といえます。機能性胃腸障害とも呼ばれます。

機能性ディスペプシアについて

アニサキスとは、約15ミリの白い糸のような見た目をした寄生虫で、感染すると様々な症状を引き起こします。
アニサキスはプランクトンの一種であるオキアミに寄生し、オキアミを餌とする魚類がそれを食べ、その魚類を人が口にするという経緯で感染に至ります。症状としては軽い腹痛で済むケース、激しい痛みを伴うケース、腸閉塞が引き起こされるケースなど、場合により様々です。

アニサキスについて

胃潰瘍と十二指腸潰瘍は合わせて消化性潰瘍とも言われ、胃壁や十二指腸の腸壁で炎症が繰り返され、粘液の粘膜保護作用が低下した結果、深い傷ができ潰瘍となっている状態のことを指します。重篤なケースだと、潰瘍が深くなり潰瘍穿孔や潰瘍出血に繋がることもあり、早期治療が重要です。発症原因としてはピロリ菌感染によるものが一番多く、その次に非ステロイド性抗炎症薬の服用によるものが続きます。

十二指腸潰瘍について

食道がんとは食道粘膜の表面にがんが発生している状態のことを指し、食道粘膜内のみに発生している早期食道がん、粘膜下層まで進行した表在食道がん、そのさらに下層まで進行した進行食道がんと、進行の度合いによって分類されています。食道の中央部分に発生するケースが最も多く、発症例の約半数を占めます。食道がんが進行してしまった場合、大規模な手術が必要になるため、早期発見が非常に大切です。

食道がんについて

胃の正常な粘膜の細胞が変化し、悪性腫瘍ができた状態を胃がんといいます。胃がんには様々な原因が考えられますが、近年ではピロリ菌感染との関連が着目されています。ピロリ菌感染者は、非感染者と比較して胃がんの発症リスクが非常に高くなるのです。
早期の胃がんは無症状であることが多く、進行しても症状が現れないままというケースも珍しくありません。胃痛、胃の不快感、吐き気、のどのつかえ感、食欲不振、胸焼けなどの症状があらわれます。

胃がんについて

かつては「過敏性大腸」と呼ばれていた疾患で、現在では大腸のみならず小腸などの腸全体で機能異常が発生することが判明しているため「過敏性腸症候群」と呼ばれています。
この疾患の特徴は、検便や大腸カメラによる検査で異常が確認できないにも関わらず、腹痛、下痢、便秘といった症状が慢性的に発生することです。はっきりとした発症原因は未だ解明されていませんが、近年では精神的ストレス（緊張・不安など）や身体的ストレス（睡眠不足・不規則な食生活・過労など）を発端として腸の蠕動運動に異常が生じることで、下痢や便秘などの症状に繋がるのではないかと推測されています。

過敏性腸症候群について

大腸の粘膜に炎症が発生することで、びらんや潰瘍が生じる疾患です。発症原因は不明で根治可能な治療法も存在しないため、厚生労働省により難病に指定されています。ただ、適切な治療によって症状を抑えることは可能なため、専門医をしっかりと受診すれば日常生活への影響をほとんど無くすことができます。
なおクローン病と混同されがちですが、クローン病は消化管の様々な位置に炎症が起きる一方で、潰瘍性大腸炎は大腸のみに炎症が起きるという特徴があります。

潰瘍性大腸炎について

発症原因が未だに分かっておらず、厚生労働省によって難病指定されている慢性疾患です。小腸や大腸などの消化管に炎症・びらん・潰瘍が発生します。完治のための治療法は確立されていませんが、治療によって日常生活にほとんど支障が無いまでに症状を抑えることが可能ですので、必ず専門医を受診し相談するようにしてください。

クローン病について

大腸の血管の血流に異常が生じ、大腸に栄養が行き届かなくなることで粘膜障害が起き、炎症・潰瘍・粘膜のただれなどが生じる疾患を虚血性腸炎といいます。虚血性腸炎のダメージにより腸管壁から粘膜が剥がれ落ちると、下痢や血便（便に血液が混じっている状態）の症状が起こります。またこの際、左下腹部に痛みが生じるのが特徴です。腹痛を原因として吐き気・嘔吐、冷や汗、気分不良などの症状にも繋がります。

虚血性腸炎について

小腸がんは、他のがんと比べて発病率は低い傾向にあります。十二指腸がん、空腸がん、回腸がんの3種類に分類されます。十二指腸がんは胃カメラ検査にて早期発見に繋がりやすく、回腸の大腸付近にあたる部分も大腸カメラ検査により初期段階で病変を発見しやすい傾向にあります。一方、空腸と回腸のほとんどは内視鏡検査にて観察が困難な箇所のため、がんの発見が遅れてしまう可能性が高くなります。初期段階ではほとんど症状が現れません。病状の進行により、腹痛、吐き気、嘔吐、貧血、血便、膨満感などの症状が現れます。また、胆汁の出口にがんが発生することで黄疸が生じる場合があるというのも、小腸がんに特有の症状です。

小腸がんについて

血便・下血、腹痛、お腹の張り、下痢や便秘、下痢と便秘を繰り返す、残便感、便が細くなった、吐き気・嘔吐、貧血、体重減少、背中の痛み、排尿障害、大腸がんを患っている場合、これらの症状が現れる頃にはがんがかなり進行している可能性が高いです。便潜血検査で陽性と判定された場合、無症状であっても必ず大腸カメラ検査を受診しましょう。

大腸がんについて

直腸がんとは、大腸を結腸部分と直腸部分に分類した時の直腸部分にがんが発生している状態のことで、すなわち大腸がんの一種といえます。大腸がんのうち、約半数が直腸がんに該当し、結腸のがんとは異なる特徴を持っています。特徴的な症状として、痔などの良性疾患と類似した症状が起こる点が挙げられます。また、肛門付近にがんが生じるという特徴から、直腸鏡を用いた検査が実施されることがあります。

直腸がんについて

血便とは、肛門から血が出たり便に血が付着したりする下血の症状や、トイレットペーパーに血が付いている、目では確認できない少量の血が便に含まれているといった状態のことを指します。便潜血検査では、便の中に目で確認できないほどの少量の血が混じっている場合でも血液を検出することができます。
血便の症状は主に痔によって生じ、時には疾患を原因としない場合もありますが、中には大腸がんなどの重い病気が隠れている場合もあります。

便潜血陽性について

排便時、頻繁に水っぽい柔らかい便が出たり、締め付けられるような腹痛を感じたりする症状です。下痢は誰しも経験したことがあるような一般的な疾患の一つであり、暴飲暴食や冷えなど身近な原因で発生します。軽い症状ですぐに治癒できれば過度に心配することはないですが、慢性的な症状や繰り返し起こる症状がある場合は、疾患を原因としている恐れもあり、速やかな受診が必要です。また、下痢により水分摂取量が足りなくなると脱水症状を起こす危険性もあります。

下痢について

便秘は身近な症状のため、市販のお薬で対処されている方も多いことと思います。しかし、症状が一向に改善しない、慢性的な便秘で日常生活に影響が出ている、腹痛がある、お腹が張る、血便があるといった場合には、医療機関を受診するようにしましょう。
1週間程度の便秘であれば経過観察でも問題ないと考えられていますが、便が出ない、排便後も残便感があるといった状態が1ヶ月以上継続しているのであれば、一度医療機関にて検査を受けて原因を調べてみることをお勧めします。

便秘について

血便とは便に血液が混じっている状態のことですが、その種類は様々で、黒い色をした便や肉眼で確認できないほど少量の血液が混じっている便などがあります。便潜血検査を受けてみないと血便が出ていることに気がつかないケースも多くあります。
血便の原因は、消化管から肛門のどこかで発生している出血です。中には大腸がんなどの重大な疾患が隠れている恐れもあります。血便に気づいたら、消化器内科にて出血場所の特定やそれに対する治療をしっかりと受けましょう。

血便について

腹痛の原因は様々で、一過性のものから重大な病気が隠れている可能性まで考えられます。近年では特に、自律神経の乱れやストレスを原因とする腹痛が目立ちます。
ただし、十二指腸、大腸などの消化器の病変を原因とする場合もありますので、気をつけましょう。
症状が長引いていたり、痛みが普段と違うと感じたら、速やかに消化器内科を受診しましょう。腹痛に伴い、吐き気・嘔吐、下痢、吐血・下血、胸痛、冷や汗、発熱、意識低下などの症状がある場合は速やかに医療機関を受診して下さい。

腹痛について

冷や汗が出るほど激しい胃痛、鋭い胃の痛みで耐えられない、歩くはずみで響くような痛みを感じる、嘔吐や吐血の症状がある、下痢・便秘・発熱の症状がある。
このような症状のある場合は緊急性が高いため速やかに医療機関を受診して下さい。胃痛を引き起こす病気として、急性胃炎、慢性胃炎、アニサキス症、胃けいれん、逆流性食道炎、胃・十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア、胃がんなどが考えられます。

胃痛について

腰痛や背部痛の主な原因は「筋肉・骨・腱の痛み」などの整形外科分野の疾患と考えられますが、中には他の重大な疾患が原因となっている可能性も捨てきれません。例えば、大動脈瘤などの血管の損傷が原因となっているケース、消化器疾患、肺疾患、泌尿器科疾患などが原因となっているケースなどが挙げられます。

背部痛について

上部消化管（食道・胃・十二指腸）などの消化器系から出血が生じ、口から血液が吐き出されてしまう症状を吐血といいます。少し赤黒い血液や、真っ赤な鮮血が黄色い胃液と混ざり合って口へと上がってきます。似た症状に喀血というものがありますが、これは呼吸器系（気管や肺など）からの出血が口へと上がってくる症状なので、吐血とは別に分類されます。
吐血の量が多いほど緊急性は高くなります。「洗面器に貯まるくらい」の大量の吐血は死に至る危険性もあるので、すぐに医療機関にかかってください。

吐血について

みぞおちの痛みの原因は様々考えられ、暴飲暴食、食道・胃・心臓・膵臓・胆のうなどの疾患、感染症などが挙げられます。原因がはっきりしていて症状もすぐに落ち着くのであれば緊急性は高くありませんが、痛みが長引いている場合は専門医を受診するようにしましょう。

みぞおちの痛みについて

膨満感とは、便秘をしたり、食事中に多くの空気を飲み込んだりなどの原因によりお腹が張って苦しさを感じる症状をいいます。一方で、膨満感は重篤な疾患のサインである場合もあります。特に、普段感じないような激しい膨満感を感じる、または息苦しさや強い腹痛を伴うケースは注意が必要です。その他にも、浮腫み、食欲不振、尿量の減少などの症状が伴う場合も、速やかに医療機関にて原因を調べてもらうようにしましょう。

膨満感について

胸焼けの原因の大半は、胃酸の逆流による食道粘膜への刺激です。食事により満腹になると胃の容積が大きくなり、下部食道括約筋（食道と胃の繋ぎ目にあり、食道を閉める役割を持つ筋肉）が緩むと逆流が発生します。加齢、肥満をはじめとして、食道の蠕動運動障害、食道粘膜の知覚過敏なども原因として考えられています。
また、胸焼けの症状を引き起こす原因疾患としては、逆流性食道炎、食道アカラシア、機能性ディスペプシア、消化性潰瘍、食道がん、胃がん、心筋梗塞、狭心症といった様々なものが考えられます。

胸焼けについて

胃もたれとは、摂取した食べ物が胃の中に留まって消化されないように感じる症状のことです。消化の悪いものを食べたり、自律神経の乱れなどにより胃の動きが弱まったりすると生じます。感染性の疾患（感染性胃炎・インフルエンザなど）のかかり始めに胃もたれの症状が生じることもあります。
食べ物を原因とした胃もたれは、食事を控えて身体を休めれば症状は一時的なもので治まるほか、感染性の疾患を原因としている場合も、それに伴う下痢や発熱などの他の症状に合わせて適切な治療を行えば、そこまで心配する必要はありません。

胃もたれについて

ゲップやおならは生理現象のため誰にでも当たり前に起こりますが、出る回数が異常に多かったり、全く出ないでお腹が張ってしまったりする場合、注意が必要です。生活習慣などが原因になっている場合や、中には原因となる疾患が存在している場合もありますので、まずは消化器内科にて原因を特定するようにしましょう。
特におならが全く出ない場合は大腸がんや腸閉塞など重篤な疾患が隠れている恐れがあります。また、過敏性腸症候群の場合は、おなら、膨満感、腹鳴などの症状が顕著に現れます。

ゲップとおならについて

吐き気は消化管の異常や、乗り物酔い、お薬の副作用、つわり、脳・眼球・脳の異常など様々な原因によって生じますが、そもそも吐き気とは脳の嘔吐反射中枢が刺激されて起こるものです。嘔吐感、めまい、食欲不振、腹部の不快感などの症状も伴います。また、吐き気に伴う嘔吐は、身体から有害な物質を排出する役割でもあり、実は有害物質の吸収から身を守っているのです。
吐き気の原因の中には医療機関における速やかな治療を必要とする疾患もありますので、症状が現れたら原因が何かを特定することが重要です。

吐き気について

のどや胸の上部に起こる症状としては、のどのつまり感、ものを飲み込みにくい、のどの奥に何かがへばりついているような感じがある、胸が苦しいなどといったものが挙げられます。
また、様々な医療機関で治療を受けても改善しない、耳鼻科での検査では問題なかったが症状が残っている、といったケースもあります。

のどの違和感について