胃がん

バリウムを服用した状態でレントゲンを撮り、胃の状態を調べる検査です。胃カメラ検査と比較して簡便であることがメリットですが、確定診断のためには胃カメラ検査が必要になるほか、早期の胃がんを見つけにくいというデメリットがあります。より確実に胃がんを予防するためには、健康診断等のバリウム検査で異常がなかった場合でも胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

内視鏡により食道・胃・十二指腸などの上部消化管を直接調べることができる検査です。口から挿入する方法と、鼻から挿入する方法があります。早期の胃がんでも見つけられるほか、検査中に病変の組織を採取して病理検査を実施できるというメリットがあります。 胃がんの早期発見・治療には、年1回程度の定期的な胃カメラ検査が有効でしょう。

バリウム検査は、液体を胃の表面に塗ることで凹凸の影を画像で確認するという検査です。そのため小さな病変や早期がんなどの微小な凹凸は画像に映りにくく、見逃されてしまう可能性があります。一方で胃カメラ検査については、かつてファイバースコープという内視鏡が用いられていた頃は解像度が低く精度に欠けていたのですが、近年の「CCD（Charge Coupled Device）」や「CMOS（Complementary Metal Oxide Semiconductor）」の登場によって内視鏡の解像度は非常に高くなり、小さな病変でも発見しやすくなっています。
以前は胃の粘膜を這っていくスキルス胃がんなどの発見には、バリウム検査の方が有効であると言われてきました。しかし、先述のような内視鏡の性能の向上により、胃カメラ検査でもスキルス胃がんなどの発見が可能になってきています。つまり、「バリウム検査で発見できる病変は、内視鏡でも発見できる」というのが現状なのです。
また、バリウム検査で病変らしきものが見つかっても、精密検査として結局は胃カメラ検査を受けなければならないため、最初から胃カメラ検査を受ける方が効率が良いとも言えるでしょう。

胃がんの発見に非常に効果的な胃カメラ検査でも、検査環境によっては、病変が見逃されてしまう可能性があります。病変に粘液が付着していて診断できなかった、ひどい嘔吐反射で胃が十分に拡張できなかったなど、検査を実施する上での技術的な問題が発生する場合があるからです。そのため胃カメラ検査で異常が発見されなかったにも関わらず、胃痛や吐き気などの症状が治らない場合、もう一度胃カメラ検査を受けてみることも重要です。胃カメラ検査を受ける病院を変えてみるというのも有効な手段です。